さの町場空き物件探訪 Vol.2『旧近畿相互銀行佐野支店・旧泉陽銀行跡』
長者住まう街の名残
泉佐野駅を降りてまっすぐ海側に進むと突き当たる場所、「つばさ通り商店街」の切れ目にひと際立派な石造りの建築物。昔は銀行だったようです。
さの町場といえば廻船業で財を成した食野一族が拠点を構えたエリアとして有名ですが、そうした豪商たちが没落したのち、近代の泉佐野でもまちが大きな賑わいを見せた時代がありました。
写真は昭和30年頃の商店街の様子です。当時を知る方曰く「人をかき分けないと前にも進めなかった」というほどの活況だったようです。その名残か泉佐野駅の周りには今も銀行が多く、かつての景況を表しています。
そして今では空き店舗が目立つつばさ通り商店街ですが、ここもかつては参勤交代路として用いられた「紀州街道」です。紀州の殿様が通った道と思うと感慨深いものがあります。
さて、この物件どのように使われるものでしょうか。
岸和田にも同じく銀行跡の「C.T.L.BANK」という昭和8年に建造された美しい洋風の建物があり有形文化財にも登録されていますが、現在はイベントホールとして活用されています。
カフェ、レストラン、イベントホール、劇場…アイデアは尽きませんが、あなたならどうしますか?
長者伝説のまちに相応しい物件のひとつです。